ざっと分かるセトノブログ

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2019年08月やる気が無くなるということは学習によって獲得される

◆やる気が失われていく

今日はやる気について興味深い理論を知ったのでご紹介します。

よくやる気が出てきた、元気を貰ったなどの言葉から感じられるようにやる気というのは獲得するものであるという考えが一般的です。

しかし、今回紹介するのは逆に

 

やる気が無くなるということは学習によって獲得される
ということです。

 

◆どんな実験を行ったか?

1967年に米国の心理学者であるセリグマン達は2匹の犬を使った次のような実験を行いました。

 

 Aの犬はボタンを押すと電気ショックが止められるボタンのついた場所に入れます。

Bの犬何をやっても電気ショックを止めることのできない場所に入れ

両者の行動を観察するというものでした。

 

 その結果Aの犬はボタンを押すと電気ショックを止められること学習し、自発的にボタンを押すようになりました。

しかし、Bの犬は何をやっても電気ショックを止められないため、ついには何も行動しなくなり、動かずただ電気ショックを受け続けるようになったそうです。

 

 そして一連の学習が終わった後改めて両者ともに電気ショックを止められる部屋に移動して実験を続けたところ,

Aの犬は自発的にボタン押しに行ったのに対し、

Bの犬は何もしようとはしなかったのです。

 つまり、やる気を失った状態、言い換えれば「無気力状態」に陥ったのです。 

 これらの実験結果から,セリグマンは「無気力状態」が学習されるものであることを発見し,この現象を“学習性の無力感”と呼びました。

 

◆どんな悪影響があるか?

一度“学習性の無力感”を獲得してしまうと,大きく分けて4つの問題が生じます。

 

1:強いストレス状況から積極的に抜け出そうとしなくなる。またその可能性を考えられなくなる。

  

2:周囲の環境に対して,自発的な働きかけをしなくなる。

 

3:成功体験を学習することが困難になってしまう。

 

4:ストレスの原因に対して何も出来ない、逃れられないという状況から情緒的に混乱をきたす。

 

これは犬に限ったものではなくサカナ、ネズミ、ネコ、サルなどでも見られたようです。

人間社会でもこの理論が当てはまりそうな事象は数多く見られます。

 

例えば、

家庭内虐待、

学校でのいじめ、

会社などでのハラスメントや、

ブラック企業に過酷な労働を強いられ続けながらも退職しないなどです。

 

◆「無気力」からの脱却方法

ではどうすればこの状態から脱却できるのでしょうか? 

 

それはこれまで述べてきたように

行動することを無駄であると思わせず、逆に

「自分自身に状況を変える力がある」と思わせることです。

 

1:自分の行動がどう評価されるか?

2:どういった影響を与えているか?

それらが明らかな場合、行動することに対してポジティブな意見を持つようになり、主体的に行動できるようになるようです。

 

◆最後に

もし、自分を含めて周りにやる気を無くしている人がいたらこの理論に当てはまっていないかを頭の片隅に置いて思い返しみてください。

お話したことがお役に立てたなら幸いです。